甘味料とは?|砂糖との違いと上手な付き合い方

「カロリーゼロなのに、どうして甘いの?」
「人工甘味料は体に悪い?」
「砂糖と人工甘味料なら、どちらを選べばいい?」

食品添加物の中でも、甘味料は気になる人が多いものの一つです。
特に「人工甘味料」という言葉から、できるだけ避けたほうがよいと考える人もいるでしょう。
先に結論をお伝えすると、食品に使用されている甘味料を「人工だから」という理由だけで避ける必要はありません。
一方で、「砂糖を使っていない」「ゼロカロリーだから、いくら摂っても大丈夫」というわけでもありません。
普段の生活では、水やお茶など甘くない飲み物を基本にし、甘いものは適量楽しむ。砂糖やエネルギーを減らしたいときには甘味料も選択肢にする。
このくらいの考え方が分かりやすいでしょう。
今回は、砂糖と甘味料の違いから、毎日の生活での選び方まで考えていきます。


甘味料とは?

甘味料とは、食品に甘味をつけるために使われるものです。
広い意味では砂糖も甘味料の一つです。
一方、食品表示で、「甘味料(スクラロース)」などと表示されている場合には、食品添加物として使われている甘味料を指します。
甘味料にはさまざまな種類があり、砂糖よりもはるかに強い甘味を持つものもあります。
そのため、少量で食品に甘味をつけることができます。


砂糖と甘味料は何が違う?

砂糖の主成分はショ糖(スクロース)です。
体内で消化・吸収され、エネルギー源として利用されます。
砂糖は1gあたり、およそ4kcalのエネルギーを持っています。
一方、食品添加物として使用される一部の高甘味度甘味料は、砂糖より非常に強い甘味を持っています。
そのため、使用する量を少なくできます。
結果として、砂糖を使った場合よりも食品全体の糖類やエネルギー量を減らせる場合があります。


どんな甘味料が使われている?

代表的なものには、次のような甘味料があります。

アスパルテーム

砂糖より強い甘味を持つ甘味料です。
清涼飲料水や菓子などに利用されています。
なお、フェニルケトン尿症の人は、アスパルテームに含まれるフェニルアラニンについて特別な注意が必要です。

アセスルファムK

強い甘味を持ち、飲料や菓子などに利用されています。
ほかの甘味料と組み合わせて使用されることもあります。

スクラロース

砂糖を原料としてつくられる高甘味度甘味料です。
少量で強い甘味をつけられるため、さまざまな食品や飲料に利用されています。

サッカリン・サッカリンナトリウム

強い甘味を持つ甘味料です。
長い使用の歴史があります。

ステビア

植物のステビアに由来する甘味成分を利用した甘味料です。
砂糖よりも強い甘味を持っています。
このように、ひとことで「甘味料」といっても、すべてが同じ物質ではありません。


なぜ砂糖ではなく甘味料を使うの?

大きな理由の一つが、少ない量で甘味をつけられることです。
例えば、砂糖を多く使った清涼飲料水では、糖類とエネルギー量も多くなります。
一部の高甘味度甘味料を利用すれば、甘さを保ちながら砂糖の使用量を減らすことができます。

そのため、

  • 低カロリー飲料
  • ゼロカロリー飲料
  • シュガーレスガム
  • 糖類を抑えた食品

などに利用されています。


「カロリーゼロ」なのに甘いのはなぜ?

私たちは、甘い=砂糖が入っていると考えがちです。
しかし、甘味とエネルギー量は同じではありません。
一部の甘味料は砂糖よりはるかに強い甘味を持つため、ごく少量でも十分な甘さを感じられます。
そのため、砂糖を多く使用しなくても甘い食品や飲料をつくることができます。
これが、「甘いのに低カロリー」という商品が存在する理由の一つです。


「ゼロカロリー」なら本当に0kcal?

注意したいのが「ゼロ」という表示です。
日本の栄養成分表示には基準があり、一定の基準を満たした食品について「ゼロ」「ノン」などの表示が認められています。
そのため、「ゼロカロリー=必ず完全な0kcal」ではありません。
ただし、このことを理由にゼロカロリー表示を過度に疑う必要もありません。
食品表示には一定のルールがある、と理解しておけばよいでしょう。


人工甘味料は危険なの?

甘味料について最も気になるのが、安全性ではないでしょうか。
結論として、「人工甘味料だから危険」と一括して考える必要はありません。
食品添加物として使用される甘味料についても安全性が評価され、必要に応じて使用基準や一日摂取許容量(ADI)などが設定されています。
安全性を考えるときには、人工か天然かではなく、

何という物質なのか
どのくらい摂取するのか
どのような安全性評価が行われているのか

を見ることが重要です。


アスパルテームは「発がん性がある」の?

アスパルテームについては、「発がん性があると認定された」といった情報を目にすることがあります。
2023年、国際がん研究機関(IARC)はアスパルテームを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」とするグループに分類しました。
一方、WHOとFAOの合同食品添加物専門家会議(JECFA)は同時期に評価を行い、それまで設定されていた一日摂取許容量を変更する十分な理由はないとの判断を示しました。
ここで重要なのが、「発がん性を持つ可能性があるか」と「実際の摂取量でどの程度のリスクがあるか」は別の問題ということです。
ニュースの見出しだけを見て、「アスパルテームを少しでも摂るとがんになる」と考える必要はありません。


「天然甘味料なら安全」なの?

ステビアなど植物に由来する甘味料を見ると、「天然だから人工甘味料より安全」と思うかもしれません。
しかし、これも単純には判断できません。
自然界にも人体に有害な物質はあります。
反対に、化学的に合成された物質でも、安全性を評価したうえで食品に使用されているものがあります。

そのため、

天然=安全
人工=危険

という考え方ではなく、それぞれの物質について考えることが大切です。


甘味料を使えばダイエットできる?

砂糖を高甘味度甘味料に置き換えることで、食品や飲料のエネルギー量を減らせる場合があります。

例えば、砂糖入りの清涼飲料水 → ゼロカロリー飲料に置き換えれば、その飲み物から摂取するエネルギーを減らせることがあります。
しかし、「人工甘味料を摂れば痩せる」という意味ではありません。
体重には食生活全体や身体活動など、さまざまな要因が関係します。
低カロリー飲料を飲みながら、ほかの食品から多くのエネルギーを摂れば、必ずしも体重が減るわけではありません。


甘味料は腸内環境に悪い?

近年では、甘味料と腸内細菌との関係についても研究が行われています。
特定の甘味料が腸内細菌や糖代謝などに影響する可能性を示した研究もあります。
一方で、甘味料によって性質は異なり、人での長期的な影響については研究が続いている部分もあります。
そのため現時点では、「人工甘味料を摂ると腸内環境が悪くなる」とすべての甘味料について一括して考えるのは適切ではありません。


子どもには人工甘味料を避けたほうがいい?

子どもの場合にも、「人工甘味料だから絶対に避ける」と考える必要はありません。
ただし、子どもの食生活で考えたいのは、甘味料だけではありません。

例えば、

毎日ジュースを飲んでいないか
お菓子が多くなっていないか
食事の代わりに甘いものを食べていないか

といった食生活全体を見ることが大切です。
子どもの場合には、甘い味に偏った食生活にならないようにするという視点を持っておくとよいでしょう。


では、甘味料とはどう付き合えばいい?

ここが最も重要です。
毎日の生活では、次のように考えると分かりやすくなります。

① 普段の飲み物は水やお茶を基本にする

水分補給のたびに甘い飲み物を飲む必要はありません。
普段は、水、無糖のお茶などを基本にするとシンプルです。


② 甘いものを食べてはいけないわけではない

健康のために、砂糖や甘味料を完全に排除する必要はありません。
ケーキやお菓子、ジュースなどを楽しむことも食生活の一部です。
大切なのは量と頻度です。


③ 砂糖を減らしたいなら甘味料を利用してもいい

例えば普段、砂糖入りの清涼飲料水を毎日飲んでいるという場合。
水やお茶に変える方法もあります。
それが難しければ、砂糖入り飲料 → 低カロリー・ゼロカロリー飲料と置き換えることも選択肢になります。
「人工甘味料だから」という理由だけで避ける必要はありません。


④ ゼロカロリーだから無制限に飲む必要もない

反対に、「カロリーゼロなら何本飲んでも大丈夫」と考える必要もありません。
ゼロカロリー飲料は、砂糖を減らすための選択肢の一つとして利用すると分かりやすいでしょう。


⑤ 「甘さそのもの」を減らす選択肢もある

砂糖をすべて人工甘味料に置き換えるだけが方法ではありません。

例えば、

甘いコーヒー
↓
甘味料入りコーヒー
↓
甘さ控えめ
↓
無糖

というように、少しずつ甘さを減らしていく方法もあります。


結局、砂糖と甘味料のどちらを選べばいい?

迷ったときは、次のように考えてみましょう。

こんなとき選び方
普段の水分補給水・無糖のお茶を基本に
甘いものを楽しみたい砂糖入りでも適量なら楽しんでOK
糖類を減らしたい甘味料を利用した食品も選択肢
エネルギーを減らしたい砂糖入りから低・ゼロカロリーへの置き換えも選択肢
「人工」という言葉が心配人工という理由だけで避けなくてOK
ゼロカロリー飲料が好き選んでもOK。ただし水代わりに大量に飲む必要はない

IKIRU+の結論

甘味料について、「砂糖は悪い、人工甘味料がよい」あるいは、「砂糖は自然だからよい、人工甘味料は危険」という二択で考える必要はありません。
毎日の生活では、

普段の飲み物は水やお茶など甘くないものを基本にする。
甘いものは適量楽しむ。
砂糖やエネルギーを減らしたい場合には、甘味料を上手に利用する。

これを基本にすればよいでしょう。

甘味料は、健康のために積極的に摂る必要があるものではありません。
しかし、砂糖の摂取量を減らしたいときには役立つ選択肢の一つです。
「人工甘味料」という言葉だけで怖がるのではなく、食生活全体の中で上手に利用していきましょう。