野菜はなぜ食べたほうがいい?|野菜から摂れる栄養と役割

「健康のために野菜を食べましょう」
これは、健康や食事について考えるときによく聞く言葉です。
しかし、なぜ野菜を食べることが大切なのでしょうか。
「ビタミンが入っているから」という理由だけではありません。
野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養成分が含まれています。
一方で、「野菜さえたくさん食べれば健康になる」というわけでもありません。
今回は、野菜に含まれる栄養素やその役割について考えてみましょう。


野菜にはさまざまな栄養素が含まれている

野菜は種類によって含まれている栄養素が大きく異なります。
代表的なものとして、

  • ビタミン
  • ミネラル
  • 食物繊維

などがあります。
例えば、緑黄色野菜にはβ-カロテンを多く含むものがあります。
ほかにも、ビタミンC、葉酸、カリウムなどを含む野菜があります。
つまり、「野菜」という一つの栄養素があるわけではありません。
さまざまな野菜を食べることで、複数の栄養素を摂ることにつながります。


緑黄色野菜とは?

野菜売り場を見ると、色の濃い野菜と色の薄い野菜があります。
栄養について考えるときには、緑黄色野菜という分類があります。

代表的なものには、

  • にんじん
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • かぼちゃ
  • ピーマン
  • トマト

などがあります。
緑黄色野菜には、β-カロテンなどを多く含むものがあります。
β-カロテンの一部は、必要に応じて体内でビタミンAとして利用されます。
ビタミンAは、正常な視覚や皮膚・粘膜の健康維持などに関係しています。


色の薄い野菜には栄養がない?

緑黄色野菜が注目されると、「色の薄い野菜にはあまり栄養がないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、そうではありません。

例えば、

キャベツ
大根
白菜
玉ねぎ
きゅうり

などにも、それぞれさまざまな栄養成分が含まれています。
食物繊維やカリウムなどを摂ることにもつながります。
緑黄色野菜だけを食べればよいわけではなく、さまざまな種類の野菜を組み合わせることが大切です。


野菜から食物繊維を摂る

野菜は、食物繊維を摂るための重要な食品群の一つです。
食物繊維は人の消化酵素では消化されにくく、その多くは大腸まで届きます。

そして、

便通
腸内細菌
食後の血糖値
血中コレステロール

などとの関係が知られています。
ただし、食物繊維は野菜だけに含まれているわけではありません。
豆類、穀類、果物、きのこ、海藻などにも含まれています。
そのため、「食物繊維=野菜だけ」と考えないことも大切です。


野菜からカリウムを摂る

多くの野菜にはカリウムが含まれています。
カリウムは体内の水分バランスや神経、筋肉の働きなどに関係するミネラルです。
また、ナトリウムの排出にも関係しています。
日本では食塩の摂りすぎが課題となっているため、野菜や果物などを含む食生活はカリウム摂取という点からも重要です。
ただし、腎機能が低下している人などでは、カリウムの摂取量を制限する場合があります。
治療中の人は、自己判断で野菜を大量に食べるのではなく、医師や管理栄養士などの指示に従いましょう。


野菜に含まれるビタミンC

野菜の中にはビタミンCを含むものもあります。

例えば、

  • ピーマン
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • じゃがいも

などです。
ビタミンCは、コラーゲンをつくる過程に必要なほか、抗酸化作用を持つ栄養素です。
ただし、「ビタミンCを摂るためには野菜だけを食べればいい」というわけではありません。
果物などもビタミンCの摂取源になります。


野菜は1日にどのくらい食べればいい?

日本では、健康づくりの目標として1日350g程度の野菜を摂ることが広く示されてきました。
ただし、「毎日1g単位まで量らなければならない」という意味ではありません。
350gという数字は、自分の食生活を振り返るための一つの目安として考えるとよいでしょう。
例えば、「今日はほとんど野菜を食べていないな」と気づいたら、夕食に野菜料理を一品追加する。
そのような使い方でも構いません。


「野菜350g」は生野菜350g?

野菜350gと聞くと、大量のサラダを想像するかもしれません。
しかし、すべて生野菜で食べる必要はありません。

野菜は、

  • 生で食べる
  • 煮る
  • 蒸す
  • 炒める
  • スープにする

など、さまざまな方法で食べることができます。
加熱するとかさが減り、生野菜より量を食べやすくなることもあります。
一方で、調理によって一部の栄養素が失われたり、逆に利用しやすくなったりする場合もあります。
生野菜と加熱した野菜を組み合わせるのも一つの方法です。


加熱すると野菜の栄養はなくなる?

「野菜は加熱すると栄養がなくなる」と聞くことがあります。
確かに、ビタミンCなど、調理によって減少しやすい栄養素があります。
しかし、加熱したら野菜の栄養がすべてなくなるわけではありません。
食物繊維やミネラルなどもありますし、加熱することで食べやすくなり、より多くの野菜を摂れることもあります。
また、栄養成分によっては加熱や油との組み合わせによって体内で利用されやすくなる場合があります。
「生が正解、加熱はダメ」という二択で考える必要はありません。


冷凍野菜でもいい?

冷凍ブロッコリーや冷凍ほうれん草など、さまざまな冷凍野菜が販売されています。
「冷凍すると栄養がなくなるのでは?」と思うかもしれませんが、冷凍野菜にも栄養素は残っています。
栄養価は食品の種類や加工・保存方法などによって変わりますが、冷凍野菜だから健康的ではない、ということはありません。
むしろ、「野菜を買っても使い切れない」「料理する時間がない」という人にとって、冷凍野菜は野菜を取り入れやすくする便利な選択肢です。


カット野菜は栄養がない?

コンビニやスーパーで販売されているカット野菜について、「洗浄されているから栄養が全部なくなっている」という話を聞くことがあります。
洗浄や加工によって、水に溶けやすい栄養素の一部が減少することはあります。
しかし、栄養素がすべてなくなるわけではありません。
カット野菜を利用することで野菜を食べる機会が増えるのであれば、十分活用できます。
「理想的な食事」にこだわりすぎて続かなくなるより、生活の中で利用しやすい方法を考えることも大切です。


野菜ジュースなら野菜の代わりになる?

野菜ジュースにも、原料となる野菜由来の栄養成分が含まれています。
しかし、野菜そのものと完全に同じではありません。
製造方法によって、食物繊維の量や栄養成分などが変化することがあります。
また、商品によって使用している野菜や果物、栄養成分は異なります。
そのため、「野菜ジュースを飲んでいるから野菜は食べなくてもいい」と考えるより、食生活を補助する選択肢の一つとして考えるほうがよいでしょう。


サラダなら何でも健康的?

「野菜を食べよう」と考えて、サラダを選ぶ人も多いでしょう。
もちろん、サラダは野菜を摂る方法の一つです。
ただし、サラダといっても内容はさまざまです。
葉物野菜が中心のものもあれば、卵や豆、肉、魚などが入ったものもあります。
ドレッシングなどから脂質や食塩を摂ることもあります。
そのため、「サラダという名前だから健康的」と判断するのではなく、中に何が入っているのかを見ることが大切です。


野菜を先に食べれば健康になる?

「ベジファースト」といって、食事の最初に野菜を食べる方法を聞いたことがあるかもしれません。
食物繊維を含む食品を先に摂ることによる食後血糖などへの影響は研究されています
しかし、健康的な食生活を考えるうえで最も重要なのは、野菜を何番目に食べたかだけではありません。
食事全体の内容や量、普段の生活習慣も重要です。
食べる順番だけを守れば、何をどれだけ食べてもよいというわけではありません。


野菜だけ食べていれば健康?

野菜には多くの栄養素が含まれています。
しかし、野菜だけでは十分に摂りにくい栄養素もあります。
例えば、たんぱく質や脂質なども私たちの体には必要です。
ごはんなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜などの副菜を組み合わせることで、さまざまな栄養素を摂ることができます。
野菜は重要ですが、「野菜を食べているから、ほかは何を食べても大丈夫」というものではありません。


無理なく野菜を増やすには?

毎日野菜を食べようと思っても、料理の手間が負担になることがあります。
そんなときには、いつもの食事に一品追加するところから始める方法があります。

例えば、

朝食にミニトマトを追加する。
昼食に野菜の小鉢をつける。
夕食に具だくさんのみそ汁を加える。

冷凍野菜やカット野菜を利用するのもよいでしょう。
健康的な食生活は、数日だけ完璧に実践するより、無理なく長く続けられることが大切です。


まとめ

野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養成分が含まれています。
だからこそ、毎日の食生活に野菜を取り入れることには意味があります。

一方で、

「生野菜でなければダメ」
「冷凍野菜には栄養がない」
「野菜だけ食べれば健康になれる」

といった考え方をする必要はありません。
生野菜、加熱した野菜、冷凍野菜、カット野菜などを上手に組み合わせながら、無理なく続けていきましょう。
そして野菜だけを見るのではなく、主食、主菜、副菜などを含めた食事全体を考えることが大切です。