機能性表示食品とは?仕組みと注意点

スーパーやドラッグストアで、「脂肪の吸収を抑える」「睡眠の質を改善する」などと表示された食品を見かけることがあります。
こうした商品の中には、「機能性表示食品」と呼ばれるものがあります。
健康によさそうな印象を受けますが、実際にはどのような仕組みで販売されているのでしょうか。
また、特定保健用食品(トクホ)との違いがわからないという方もいるでしょう。
機能性表示食品は、科学的根拠に基づく機能を表示できる制度ですが、国が商品の効果を個別に審査して認めたものではありません。
今回は、機能性表示食品の基本的な仕組みや特徴、利用するときの注意点について解説します。

1. 機能性表示食品とは?

機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づく健康への働きを表示する食品です。
販売前に、商品の安全性や機能性に関する情報などを消費者庁長官に届け出る必要があります。
大きな特徴は、国による個別の許可を受ける制度ではなく、事業者が科学的根拠を示して届け出る制度であることです。
例えば、次のような機能を表示した商品があります。

  • 食後の血糖値の上昇を穏やかにする
  • おなかの調子を整える
  • 睡眠の質を改善する
  • 一時的な疲労感を軽減する
  • 肌のうるおいを維持する

ただし、これらは機能性表示食品全体に共通する効果ではありません。
商品ごとに対象となる人や機能性関与成分、科学的根拠が異なります。
また、機能性表示食品は医薬品ではなく、病気の治療や予防を目的としたものではありません。

2. 機能性表示食品の主な特徴

機能性表示食品を理解するために、代表的な特徴を確認しましょう。

① 科学的根拠に基づいて機能を表示する
機能性表示食品では、表示する健康への働きについて科学的根拠が求められます。
根拠の示し方には、最終製品を用いた臨床試験や、関連する研究結果を一定の方法でまとめて評価する研究レビューなどがあります。
ただし、研究の質や対象者、摂取条件などによって、根拠の確かさは異なります。
科学的根拠があるという表示だけで、すべての人に同じ効果が期待できるわけではありません。

② 国による個別審査や許可は行われない
特定保健用食品(トクホ)は、国が商品ごとに有効性や安全性などを審査し、表示を許可する制度です。
一方、機能性表示食品は、事業者が必要な情報を届け出る制度です。
消費者庁への届出があることは、国がその商品の効果を保証していることを意味しません。

③ 商品ごとに届出番号がある
機能性表示食品には、商品を識別するための届出番号があります。
消費者庁のウェブサイトでは、届出情報を検索することができます。
商品に含まれる機能性関与成分や、表示する機能、安全性に関する情報などを確認する際に役立ちます。

④ 安全性や品質管理に関するルールがある
機能性表示食品には、安全性の確認や健康被害情報の収集・報告、品質管理などに関する制度上のルールがあります。
2024年には制度の見直しが行われ、健康被害情報の報告や製造・品質管理などに関する規定が強化されました。
ただし、制度に基づいて販売されている商品でも、体質や持病などによって健康被害が生じる可能性はあります。

⑤ 摂取目安量や注意事項が表示されている
機能性表示食品には、1日当たりの摂取目安量や摂取方法、注意事項などが記載されています。
多く摂取すれば、それだけ効果が高まるわけではありません。
表示内容を確認し、適切に利用することが大切です。

3. 中高年・高齢者が利用するときの注意点

年齢を重ねると、血圧や血糖値、睡眠、関節の状態などが気になることがあります。
そのため、健康に関する機能を表示した食品に関心を持つ方もいるでしょう。
しかし、機能性表示食品は、健康上の悩みをすべて解決するものではありません。
例えば、血糖値が高い場合には、食生活や運動習慣の見直しだけでなく、必要に応じて医療機関での検査や治療が重要になります。
また、機能性表示食品の中には、特定の年齢層や健康状態の人を対象に研究された商品もあります。
表示された機能が、自分の年齢や健康状態にも当てはまるとは限らないことを理解しておきましょう。
特に、持病がある方や医薬品を服用している方は、利用前に医師や薬剤師へ相談することが大切です。
健康食品を追加することで、薬の作用や体調に影響する可能性もあります。
また、機能性表示食品を利用しているからといって、食事や運動などの生活習慣をおろそかにしないようにしましょう。

4. 今日からできる5つの工夫

機能性表示食品を適切に利用するために、日常生活で実践できる5つの工夫を紹介します。

① 商品の表示を確認する
「機能性表示食品」という表示があるか確認しましょう。
商品に書かれた機能だけでなく、対象となる人や注意事項も読むことが大切です。

② 届出番号を確認する
商品に記載されている届出番号を使い、消費者庁のウェブサイトで情報を確認できます。
気になる商品について調べる習慣をつけましょう。

③ 科学的根拠の内容を意識する
「研究で確認された」という言葉だけで判断しないようにしましょう。
どのような人を対象に、どのような条件で研究されたのかも重要です。

④ 摂取目安量を守る
健康によいとされる成分でも、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす場合があります。
商品の表示に従って利用しましょう。

⑤ 体調の変化に注意する
利用を始めた後に、発疹や腹痛、吐き気などの体調不良が現れた場合は、摂取を中止しましょう。
症状がある場合は医療機関に相談し、利用した商品の情報を伝えることが大切です。

IKIRU+の結論

機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づく健康への働きを表示する食品です。
特定保健用食品とは異なり、国が商品ごとに有効性や安全性を審査して許可する制度ではありません。
健康への働きが表示されていても、すべての人に同じ効果が期待できるわけではなく、医薬品の代わりにもなりません。
利用するときは、表示内容や届出情報、摂取目安量、安全性などを確認することが大切です。
毎日の食事や運動、睡眠などを基本にしながら、自分に必要なものかどうかを冷静に判断していきましょう。