何歳からでも学べる?大人の脳と学習の関係
「もう年だから、新しいことを覚えるのは難しい」と感じたことはありませんか。
年齢を重ねると、若い頃に比べて物覚えが悪くなったと感じる人もいるでしょう。
しかし、私たちの脳には、年齢を重ねても新しいことを学び、経験に応じて変化する力が備わっています。
もちろん、加齢によって記憶力や情報処理の速さが変化することはありますが、学ぶ能力が完全になくなるわけではありません。
今回は、大人の脳と学習の関係について、科学的な視点からわかりやすく紹介します。
1. 年齢を重ねると学習能力は低下する?
年齢を重ねると、脳の働きにはさまざまな変化が生じます。
例えば、次のような変化が見られる場合があります。
- 新しい情報を覚えるまでに時間がかかる
- 複数の作業を同時に行うことが難しくなる
- 人の名前や言葉がすぐに思い出せない
- 新しい機械の操作を覚えるのに時間がかかる
こうした変化には個人差があり、すべての人に同じように起こるわけではありません。
また、脳の働きは一様に低下するものでもありません。
例えば、情報を素早く処理する能力は加齢の影響を受けやすい一方で、長年の経験によって蓄積された知識や語彙は、比較的保たれやすいとされています。
そのため、若い頃より学習に時間がかかったとしても、これまでの経験や知識を生かして理解を深めることができます。
年齢を重ねることで学び方に変化は生じますが、新しいことを学ぶ可能性がなくなるわけではありません。
2. 脳には何歳になっても変化する力がある
私たちの脳には、経験や学習によって神経回路の働きが変化する性質があります。
この性質は、「神経可塑性(しんけいかそせい)」と呼ばれています。
例えば、新しい言葉を覚えたり、楽器の練習を繰り返したりすると、学習に関係する神経回路の働きが変化することがあります。
神経可塑性は子どもの頃だけに見られるものではなく、成人や高齢者の脳にも備わっています。
ただし、加齢によって脳の変化の起こりやすさや学習の速度が変わることはあります。
また、学習によって脳の働きが変化することと、認知症を確実に予防できることは同じではありません。
読書や学習などの知的活動と認知機能の維持との関連は研究されていますが、特定の学習方法によって認知症を必ず防げるとまでは証明されていません。
大切なのは、脳には年齢を重ねても学習に応じて変化する力があるということです。
3. 大人の学習には経験を生かせる強みがある
大人の学習には、子どもの頃とは異なる特徴があります。
その一つが、これまでの経験や知識を生かせることです。
例えば、次のような学び方があります。
① 経験と結びつけて理解する
料理の経験がある人は、栄養学を学ぶときに、普段の食事や食材と関連づけて理解できます。
② 興味のある分野を深く学ぶ
歴史や園芸、音楽など、長年興味を持ってきた分野について、さらに知識を深めることができます。
③ 生活に必要なことを学ぶ
スマートフォンの操作やインターネットの利用など、日常生活に役立つ知識を身につけることもできます。
④ 自分のペースで学習できる
学校の勉強とは異なり、自分の興味や生活に合わせて学習内容や時間を選ぶことができます。
また、大人の学習では、単に暗記するだけでなく、学んだ内容を自分の経験と結びつけることが理解の助けになる場合があります。
大人には、これまでの人生で積み重ねてきた経験を学習に生かせるという強みがあります。
4. 年齢を重ねても学び続けるための5つの工夫
新しいことを学ぶときは、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
① 興味のあることから始める
歴史や料理、語学など、自分が楽しいと感じられる分野を選びましょう。
② 一度に覚える量を少なくする
最初から多くの情報を覚えようとせず、少しずつ学ぶことで負担を減らせます。
③ 繰り返し復習する
一度学んだことを時間を空けて思い出す練習は、記憶の定着に役立ちます。
④ 学んだことを実際に使う
新しく覚えた言葉を会話で使ったり、スマートフォンの操作を実際に試したりすることで、理解を深めやすくなります。
⑤ 他人と比べず自分のペースで続ける
覚える速さや理解するまでの時間には個人差があります。
若い頃の自分や周囲の人と比べる必要はありません。
また、睡眠不足や疲労、ストレスなどは、集中力や記憶に影響する場合があります。
学習を続けるためには、十分な休息を取ることも大切です。
なお、物忘れが急に増えたり、日常生活に支障が出たりしている場合は、単なる加齢と決めつけず、医療機関に相談しましょう。
学習を続けるためには、短い時間でも繰り返し取り組み、自分に合った方法を見つけることが大切です。
IKIRU+の結論
年齢を重ねると、記憶力や情報処理の速さなど、脳の働きに変化が生じる場合があります。
しかし、脳には成人や高齢者になっても、学習や経験に応じて変化する力が備わっています。
また、大人には、これまでの知識や経験を生かして新しいことを理解できるという強みがあります。
学習を続けるためには、興味のあることを選び、無理のないペースで繰り返し取り組むことが大切です。
何歳になっても学ぶ楽しみを持ちながら、自分の可能性を少しずつ広げていきましょう。
