誤嚥性肺炎はなぜ起こる?口の健康と肺炎の関係

「食べ物が気管に入ると肺炎になることがある」 このような話を聞いたことはありませんか?
食べ物や飲み物、唾液などが気管に入り込むことを「誤嚥(ごえん)」といいます。
そして、誤嚥が関係して起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。
特に高齢者では、飲み込む力や咳をする力が低下することで、誤嚥性肺炎のリスクが高まる場合があります。
今回は、誤嚥性肺炎が起こる仕組みと、口の健康との関係について考えていきます。

1. 誤嚥性肺炎とはどのような病気?

誤嚥性肺炎とは、口や喉にある細菌などが唾液や食べ物とともに気管から肺へ入り込み、感染や炎症を引き起こす肺炎です。
通常、食べ物や飲み物は食道を通って胃へ運ばれます。
しかし、飲み込む機能が低下すると、食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことがあります。
このとき、口の中に存在する細菌も一緒に肺へ入り込む場合があります。
ただし、誤嚥が起こったからといって、必ず肺炎になるわけではありません。
肺炎の発症には、細菌の量や種類、咳による排出能力、免疫機能、全身の健康状態などが関係しています。
誤嚥性肺炎は、誤嚥によって細菌などが肺へ入り込み、さまざまな条件が重なることで発症する病気です。

2. なぜ口の中の清潔さが関係するの?

私たちの口の中には、健康な状態でも多くの細菌が存在しています。
歯磨きや入れ歯の清掃が十分に行われていないと、歯や舌、歯ぐきなどに細菌が増えやすくなります。
特に、歯垢(プラーク)には多くの細菌が含まれており、口の中の衛生状態が悪化する原因になります。
こうした細菌を含んだ唾液などが誤嚥によって肺に入ると、肺炎の発症に関係する場合があります。
また、口から食事をしていない方でも、唾液や口の中の分泌物を誤嚥することがあるため、口腔ケアは必要です。
口腔ケアは、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、誤嚥性肺炎のリスクを減らすためにも重要な取り組みです。

3. 誤嚥性肺炎ではどのような症状が現れる?

誤嚥性肺炎では、発熱や咳、痰、息苦しさなどの症状が現れることがあります。
しかし、高齢者では典型的な症状が目立たない場合もあります。
例えば、食欲が低下する、元気がなくなる、普段より眠っている時間が長くなるなどの変化が見られることがあります。
また、急に活動量が減ったり、意識の状態が変化したりする場合もあります。
ただし、これらの症状は誤嚥性肺炎以外の病気でも起こるため、症状だけで判断することはできません。
発熱や咳が続く場合、普段と異なる状態が見られる場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
特に、強い息苦しさや意識障害がある場合には、緊急の対応が必要です。
誤嚥性肺炎では、発熱や咳だけでなく、食欲や活動量などの変化にも注意することが大切です。

4. 誤嚥性肺炎を予防するためにできること

誤嚥性肺炎のリスクを減らすためには、飲み込む機能への対応と口腔ケアの両方が重要です。
まず、毎日の歯磨きや入れ歯の清掃によって、口の中を清潔に保つことが基本になります。
舌や口の粘膜の汚れにも目を向け、必要に応じて歯科医師や歯科衛生士による専門的なケアを受けましょう。
また、食事中は安定した姿勢を保ち、本人の飲み込む機能に合った食べ方を考えることが大切です。
さらに、栄養状態を保ち、適度に体を動かすことも、全身の健康維持につながります。
むせが増えたり、肺炎を繰り返したりする場合には、医師や言語聴覚士などによる嚥下機能の評価が必要です。
なお、口腔ケアだけですべての誤嚥性肺炎を防げるわけではありません。
口腔ケア、嚥下機能への対応、栄養管理などを組み合わせることが、誤嚥性肺炎のリスクを減らすために重要です。

IKIRU+の結論

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物、唾液などとともに細菌が肺へ入り込むことで起こる肺炎です。
特に、飲み込む力や咳をする力が低下している方では注意が必要になります。
また、口の中の細菌が関係するため、毎日の口腔ケアも重要な役割を担っています。
大切なのは、誤嚥を防ぐことだけでなく、口の中を清潔に保ち、全身の健康状態を整えることです。
安心して食事を続けるために、口の健康と飲み込む機能の両方に目を向けていきましょう。