薬を服用している高齢者と健康食品

高齢になると、高血圧や糖尿病、心臓病などの治療で、複数の薬を服用することがあります。
一方で、健康維持や栄養補給を目的として、健康食品やサプリメントを利用している方もいるでしょう。
しかし、健康食品に含まれる成分によっては、薬の働きに影響する場合があります。
健康食品は食品の一種ですが、薬と一緒に利用しても必ず安全というわけではありません。
今回は、薬を服用している高齢者が、健康食品を利用する際の注意点について解説します。

1. 高齢者が飲み合わせに注意したい理由

高齢者では、複数の病気を治療するために、いくつもの薬を服用している場合があります。
このように、多くの薬を服用している状態を「ポリファーマシー」と呼ぶことがあります。
ただし、薬の数が多いこと自体が問題なのではなく、薬の重複や副作用、飲み間違いなどが生じていることが重要です。
さらに健康食品を利用すると、成分によっては薬の吸収や分解、働きに影響する可能性があります。
また、加齢や持病によって、薬や健康食品の成分を体内で処理する働きが変化することもあります。
高齢者が健康食品を利用する際には、現在服用している薬との関係を確認することが大切です。

2. 健康食品を利用する際の5つの注意点

① 薬との相互作用を確認する
健康食品の成分によっては、薬の効果を強めたり、弱めたりする場合があります。
例えば、ビタミンKは、血液が固まる働きを抑える薬であるワルファリンの作用に影響します。
また、カルシウムや鉄などのミネラルは、一部の薬の吸収を妨げることがあります。
健康食品を新しく利用する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

② 複数の健康食品を組み合わせない
健康食品を複数利用すると、同じ栄養素を重複して摂取する場合があります。
例えば、マルチビタミンと単独のビタミンサプリメントを併用すると、特定のビタミンを過剰に摂取する可能性があります。
また、複数の植物由来成分を含む商品では、薬との相互作用を判断しにくいこともあります。
必要性を確認せずに商品を増やすことは避けましょう。

③ 健康食品を薬の代わりにしない
健康食品は、病気の治療を目的とした医薬品とは異なります。
そのため、健康食品を利用しているからといって、処方された薬を減らしたり中止したりすることは危険です。
また、健康食品を利用することで、必要な検査や治療を後回しにしないことも重要です。
病気の治療は医師の指示に従い、健康食品は必要に応じて補助的に利用しましょう。

④ 体調の変化に注意する
健康食品を利用した後に、発疹や腹痛、吐き気などの症状が現れる場合があります。
また、薬との相互作用によって、出血しやすくなるなどの問題が起こる可能性もあります。
健康食品が原因と疑われる症状が現れた場合は、使用を中止して医療機関に相談しましょう。
強い症状や急激な体調変化がある場合は、速やかな受診が必要です。

⑤ 医師や薬剤師に利用状況を伝える
健康食品は処方薬ではないため、診察時に伝え忘れてしまうことがあります。
しかし、医師や薬剤師が飲み合わせを確認するためには、健康食品の情報も重要です。
商品名や成分、摂取量などを記録しておきましょう。
お薬手帳に健康食品の情報を書き加える方法も役立ちます。

3. 高齢者が特に注意したいこと

高齢者では、腎臓や肝臓の機能が低下している場合があります。
そのため、一部の健康食品の成分が体内に蓄積したり、薬の働きに影響したりする可能性があります。

また、薬の種類が増えると、飲み間違いや服用忘れなども起こりやすくなります。
健康食品を追加することで、毎日の管理がさらに複雑になる場合もあります。
家族が健康食品を購入する場合も、本人が服用している薬を確認することが大切です。
高齢者の健康食品選びでは、成分の安全性だけでなく、服薬管理の負担にも目を向ける必要があります。

4. 今日からできる5つの工夫

① 薬と健康食品を一覧にする
現在利用している商品名や摂取量を整理しましょう。

② お薬手帳を活用する
健康食品の情報も記録し、医療機関や薬局で確認してもらいましょう。

③ 新しい健康食品を始める前に相談する
薬との相互作用について、医師や薬剤師に確認しましょう。

④ 自己判断で薬を中止しない
健康食品を利用するために、処方薬を減らしたり中止したりしないようにしましょう。

⑤ 定期的に必要性を見直す
健康食品を続ける必要があるのか、食生活や健康状態を踏まえて確認しましょう。

IKIRU+の結論

薬を服用している高齢者が健康食品を利用する際には、成分の相互作用に注意する必要があります。
健康食品の中には、薬の効果を強めたり弱めたりする可能性があるものもあります。
また、複数の健康食品を利用すると、成分の重複や過剰摂取が起こる場合があります。
健康食品を薬の代わりに使用せず、医師や薬剤師に利用状況を伝えることが重要です。
毎日の食事を基本に、現在の健康状態や服薬状況に合わせて、安全に健康食品と付き合っていきましょう。