たんぱく質はなぜ必要?|筋肉だけではない大切な役割

「たんぱく質」と聞くと、筋肉をつけるために必要な栄養素というイメージを持つ人も多いかもしれません。
スポーツをする人がプロテインを飲んでいる姿を思い浮かべることもあるでしょう。
しかし、たんぱく質が必要なのは、運動をする人だけではありません。
筋肉はもちろん、皮膚や髪など、私たちの体をつくるさまざまな部分にたんぱく質が関係しています。また、体の働きを支える酵素やホルモンなどにも関わっています。
今回は、たんぱく質が私たちの体でどのような役割を果たしているのかを見ていきましょう。


たんぱく質は5大栄養素の一つ

たんぱく質は、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルという5大栄養素の一つです。

肉や魚だけでなく、

  • 卵
  • 牛乳・乳製品
  • 大豆・大豆製品
  • 穀類

など、さまざまな食品に含まれています。
そして、たんぱく質の大きな特徴が、体をつくる材料になることです。


筋肉だけではない「体の材料」

たんぱく質というと、まず筋肉を思い浮かべるかもしれません。
確かに筋肉には多くのたんぱく質が存在しています。
しかし、それだけではありません。

たんぱく質は、筋肉、皮膚、髪、爪など体のさまざまな組織に関係しています。
私たちの体は、一度つくられたらそのままというわけではありません。
古くなったものが分解され、新しいものがつくられるという変化を繰り返しています。
そのため、成長期だけではなく、大人になってからもたんぱく質は必要なのです。


食べたたんぱく質が、そのまま筋肉になるわけではない

肉を食べたからといって、その肉のたんぱく質がそのまま私たちの筋肉になるわけではありません。
食事から摂ったたんぱく質は、消化の過程で主にアミノ酸などに分解されます。
それらが小腸から吸収され、体の中で必要なたんぱく質をつくる材料として利用されます。
イメージするなら、たんぱく質という大きな建物をいったん小さな部品まで分解し、その部品を使って別の建物をつくり直しているようなものです。
この部品にあたるのがアミノ酸です。


アミノ酸とは?

たんぱく質を構成している基本的な成分がアミノ酸です。
人の体を構成するたんぱく質には、主に20種類のアミノ酸が使われています。
その中には、体内で十分な量をつくることができないため、食事から摂る必要があるものがあります。
これを必須アミノ酸といいます。
必須アミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、バリン、リシンなどがあります。
「必須」というのは、ほかのアミノ酸が不要という意味ではありません。
体内で必要量を合成できないため、食事から摂る必要があるという意味です。


酵素やホルモンなどにも関係している

たんぱく質の役割は、体の形をつくることだけではありません。
私たちの体の中では、食べ物を消化したり、さまざまな化学反応を進めたりするために酵素が働いています。
酵素の多くはたんぱく質からできています。
また、一部のホルモンもたんぱく質やペプチドからできています。
さらに、免疫に関係する抗体もたんぱく質です。
このように、たんぱく質は「筋肉の材料」というだけではなく、生命活動そのものを支える幅広い役割を担っています。


たんぱく質もエネルギーになる

たんぱく質は主に体をつくる材料として利用されますが、エネルギー源として利用されることもあります。
たんぱく質は、一般的に1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出します。
これは糖質とほぼ同じです。
ただし、たんぱく質には体の材料として重要な役割があります。
そのため、エネルギーを確保するという点でも、炭水化物や脂質を含めて食事全体を考える必要があります。


動物性と植物性のたんぱく質

たんぱく質を含む食品は、大きく動物性食品と植物性食品に分けて考えることもできます。

動物性食品

肉、魚、卵、牛乳・乳製品などです。

植物性食品

大豆・大豆製品、豆類、穀類などです。
それぞれ含まれる栄養素や脂質の量、アミノ酸の構成などが異なります。
そのため、「動物性だから良い」「植物性だから良い」と単純に分けるのではなく、さまざまな食品を食生活の中で組み合わせていくことが大切です。


高齢期にもたんぱく質は大切

たんぱく質は、成長期やスポーツをしている人だけが意識すればよい栄養素ではありません。
特に高齢期では、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下しやすくなります。

さらに、

「以前ほど食べられなくなった」
「肉や魚を食べる機会が減った」

などによって、食事全体の量が少なくなることもあります。
そのため、高齢期では十分なエネルギーを確保するとともに、たんぱく質を含む食品を適切に摂ることも重要になります。
そして、筋肉を維持するという点では食事だけでなく、身体活動や運動も大切です。


プロテインを飲めばいい?

「たんぱく質が大切なら、プロテインを飲んだほうがいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
一般に「プロテイン」と呼ばれている商品は、たんぱく質を補給するための食品です。
食事だけでは不足する場合などに利用されることがありますが、すべての人に必要というわけではありません。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、普段の食事からもたんぱく質を摂ることができます。
また、食品にはたんぱく質以外にもさまざまな栄養素が含まれています。
まず普段の食事を振り返り、そのうえで必要性を考えることが基本です。


「多ければ多いほどいい」わけではない

たんぱく質が重要だからといって、たくさん摂れば摂るほど健康になるわけではありません。
必要量は、年齢、体格、身体活動量、健康状態などによって異なります。
また、たんぱく質を多く摂ろうとして食事内容が極端に偏れば、食事全体のバランスにも影響します。
特に腎臓の病気などでたんぱく質の摂取量について指示を受けている場合は、自己判断で大幅に増やさず、医師や管理栄養士などに相談することが重要です。
大切なのは「多く摂ること」ではなく、自分に必要な量を食事全体の中で摂ることです。


まとめ

たんぱく質は5大栄養素の一つで、筋肉だけでなく、皮膚や髪など私たちの体をつくる重要な材料です。
さらに、酵素、ホルモン、抗体などにも関係し、体のさまざまな働きを支えています。
肉や魚だけでなく、卵、大豆・大豆製品、乳製品など、さまざまな食品から摂ることができます。
「筋肉をつける人のための栄養素」と考えるのではなく、子どもから高齢者まで、生きていくために必要な栄養素の一つとして考えてみましょう。