食品添加物とは?|なぜ食品に使われているのか

スーパーやコンビニで食品の原材料表示を見ると、
「保存料」
「着色料」
「甘味料」
「酸化防止剤」
などの文字を目にすることがあります。
これらの中には、食品添加物として使用されているものがあります。
食品添加物については、
「できるだけ避けたほうがいい」
「体に悪いのでは?」
「無添加のほうが安全」
といったイメージを持っている人もいるでしょう。
一方で、食品添加物は単に食品を長持ちさせるためだけに使われているわけではありません。
食品の安全性を保ったり、品質を維持したり、味や見た目を整えたりするなど、さまざまな目的があります。
今回は、まず「食品添加物とは何なのか」「なぜ食品に使われているのか」という基本から見ていきましょう。
食品添加物とは?
食品添加物とは、食品を製造したり加工したりするときに、特定の目的で使用されるものです。
例えば、
- 食品を保存しやすくする
- 食中毒などの原因となる微生物の増殖を抑える
- 色や香りをつける
- 甘味をつける
- 食感を整える
- 品質の低下を防ぐ
などの目的があります。
普段何気なく食べている加工食品にも、さまざまな食品添加物が利用されています。
食品添加物は何のために使われる?
食品添加物には多くの種類があり、それぞれ使われる目的が異なります。
代表的なものを見てみましょう。
保存料
食品中の微生物の増殖を抑え、食品の保存性を高めるために使用されます。
食品が傷みにくくなることで、一定期間、安全性や品質を保ちやすくなります。
甘味料
食品に甘味をつけるために使われます。
砂糖とは異なる甘味料もあり、それぞれ甘さの強さや性質が異なります。
着色料
食品に色をつけたり、色調を整えたりするために使用されます。
加工によって失われた色を補ったり、食品の見た目を整えたりする目的があります。
酸化防止剤
食品に含まれる脂質などが酸化するのを抑え、品質の低下を防ぐために使用されます。
香料
食品に香りをつけたり、加工中に失われた香りを補ったりするために使われます。
このほかにも、食品の食感を整えるものや、製造を助けるものなど、さまざまな食品添加物があります。
食品添加物は「見た目をよくするため」だけではない
着色料や香料のイメージから、「食品添加物は食品をおいしそうに見せるために使われるもの」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、それだけではありません。
例えば保存料などは、微生物の増殖を抑えることで食品の保存性を高めます。
酸化防止剤は、食品の酸化による品質低下を抑えるために使われます。
食品添加物の中には、食品の安全性や品質を保つために利用されているものもあるのです。
食品添加物がなかったらどうなる?
「食品添加物をすべてなくせば、もっと健康的になるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、食品添加物を使用しないことにも別の側面があります。
例えば保存性が低くなれば、
食品が傷みやすくなる
保存できる期間が短くなる
廃棄される食品が増える可能性がある
といったことも考えられます。
食品添加物にはメリットと役割があります。
そのため、
「使っている=悪い」
「使っていない=よい」
という二択だけで考えないことが大切です。
食品添加物は自由に使えるの?
食品メーカーが、好きな添加物を好きな量だけ使用できるわけではありません。
日本では、食品衛生法などに基づいて、使用できる食品添加物が定められています。
食品添加物によっては、
どの食品に使用できるのか
どのくらい使用できるのか
どのような目的で使用できるのか
などについて基準が設定されています。
安全性について評価されたうえで、使用基準などが設けられています。
「一日摂取許容量(ADI)」とは?
食品添加物の安全性を考えるときに知っておきたい言葉が、一日摂取許容量(ADI)です。
ADIは、人がある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと考えられる1日あたりの量を示す考え方です。
通常、体重1kgあたりの量として示されます。
安全性評価では、動物試験などから健康への悪影響が確認されなかった量などをもとに、不確実性を考慮した安全係数を用いてADIが設定されます。
つまり、「少しでも摂取したら危険」という考え方ではなく、摂取する量も含めて安全性を考えているということです。
ADIについては、別の記事で詳しく取り上げます。
「化学物質だから危険」は正しい?
食品添加物について、「化学物質だから怖い」という表現を見かけることがあります。
しかし、「化学物質」という言葉だけで危険性を判断することはできません。
私たちが普段食べている食品も、さまざまな化学物質によって構成されています。
水も水分子からできていますし、果物には果糖やクエン酸など多くの物質が含まれています。
重要なのは、「化学物質かどうか」ではなく、「どの物質を、どのくらい摂取するのか」という視点です。
「天然なら安全、人工なら危険」?
もう一つ注意したいのが、
天然=安全
人工=危険
という考え方です。
自然界に存在する物質の中にも、摂取量によって人体に悪影響を及ぼすものがあります。
反対に、人工的につくられた物質だからといって、それだけで危険だと判断することもできません。
食品添加物の安全性を考えるときには、「天然」「人工」というイメージだけではなく、物質そのものの性質や摂取量、安全性に関するデータを見ることが重要です。
「無添加」なら安全?
スーパーなどでは、「無添加」という表示を目にすることがあります。
無添加という言葉には、なんとなく「安全」「健康的」という印象があるかもしれません。
しかし、「無添加」という言葉だけで食品全体の安全性や栄養価を判断することはできません。
例えば、ある添加物を使用していなくても、その食品に食塩や糖類、脂質などが多く含まれていることもあります。
反対に、食品添加物を使用しているという理由だけで、その食品が危険だと判断することもできません。
食品全体を見ることが大切です。
食品添加物と「加工食品」は同じもの?
食品添加物と加工食品は別の言葉です。
加工食品とは、食品に何らかの加工を行ったものを指します。
例えば、
豆腐
納豆
ヨーグルト
冷凍食品
缶詰
なども広い意味では加工された食品です。
そして、加工食品のすべてに食品添加物が使われているわけではありません。
反対に、食品添加物は食品の製造や加工の過程で利用されるものです。
「加工されている=添加物だらけ」というわけではありません。
食品添加物を避けるべき?
食品添加物について知ると、「では、できるだけ避けたほうがいいの?」という疑問が出てくるでしょう。
食品を選ぶときに原材料表示を確認し、自分が何を食べているのかを知ることは大切です。
しかし、「食品添加物が入っているから食べない」と一律に判断する必要はありません。
食品添加物にはそれぞれ使用する目的があり、安全性や使用量についてのルールがあります。
それよりも、
食事全体が偏っていないか
野菜や果物を食べているか
食塩や糖類、脂質を摂りすぎていないか
なども含めて考えることが大切です。
食品表示を見てみよう
食品添加物について知るために、まずできることは食品表示を見ることです。
スーパーやコンビニで食品を買うとき、裏面や側面にある原材料名を確認してみましょう。
普段食べている食品に、「こんなものが使われていたんだ」と気づくかもしれません。
大切なのは、知らない名前を見つけてすぐに怖がることではありません。
「これは何のために使われているのだろう?」と調べてみることです。
食品添加物を必要以上に怖がることも、まったく気にしないこともせず、正しい情報をもとに考えていきましょう。
まとめ
食品添加物は、食品を製造・加工するときにさまざまな目的で使用されています。
その目的には、
保存性を高める
品質の低下を防ぐ
味や香りを整える
色を整える
食感をつくる
などがあります。
日本では食品添加物について安全性の評価や使用基準などが設けられており、メーカーが自由に好きな量を使用できるわけではありません。
一方で、
「添加物=危険」
「無添加=安全」
「天然=安全、人工=危険」
と単純に分けて考えることも適切ではありません。
食品添加物について大切なのは、イメージだけで怖がったり安心したりするのではなく、何のために使われ、どのように安全性が考えられているのかを知ることです。

