1日3食は本当に必要?|食事の回数について考える

「朝・昼・晩、1日3食きちんと食べましょう」
私たちは子どものころから、このように教えられることが多いと思います。
しかし、
「朝はお腹が空かない」
「1日2食でも問題ないのでは?」
「食事回数を減らすと健康になる?」
と疑問を持つ人もいるでしょう。
実際、健康について調べると「1日3食」「1日2食」「1日1食」「時間を制限した食事」など、さまざまな考え方が見つかります。
では、本当に1日3食がすべての人にとって正解なのでしょうか。
今回は、食事の回数について「何回が正解か」だけではなく、食事全体から考えてみましょう。
なぜ「1日3食」が一般的なの?
現在の日本では、朝食・昼食・夕食という1日3食の生活が一般的です。
3回に分けて食べることで、一日に必要なエネルギーや栄養素を複数回の食事から摂ることができます。
また、
朝起きる
↓
朝食を食べる
↓
昼食を食べる
↓
夕食を食べる
↓
眠る
という食事の時間は、一日の生活リズムとも関係しています。
ただし、人類が昔から必ず1日3食だったわけではありません。
食事回数や食事時間は、時代や地域、生活様式などによって変化してきました。
1日3食でなければ健康になれない?
必ずしも、「1日3食でなければ不健康になる」と単純に考えることはできません。
必要な食事量は、年齢、体格、活動量、健康状態などによって異なります。
食事の回数についても同様です。
重要なのは回数だけではなく、一日を通して必要なエネルギーや栄養素を摂れているかという点です。
例えば1日3食でも、毎食の内容が大きく偏っていれば、必ずしもバランスのよい食生活とはいえません。
反対に、食事回数だけを見て健康状態を判断することもできません。
3回に分けるメリットは?
1日3回に食事を分けることには、一度に大量の食事を摂らなくても、一日に必要なエネルギーや栄養素を確保しやすいという利点があります。
例えば、
朝食:主食+卵+果物
昼食:ごはん+魚+野菜
夕食:ごはん+肉+野菜+豆腐
というように、複数回の食事からさまざまな食品を摂ることができます。
特に一度にたくさん食べることが難しい人にとっては、食事を分けることが必要な栄養を確保する方法の一つになります。
食事を抜くとどうなる?
一回食事を抜いたからといって、それだけで健康に大きな問題が生じるわけではありません。
しかし、食事を抜くことが習慣になると、人によっては一日に必要なエネルギーや栄養素を確保しにくくなる可能性があります。
また、「昼食を抜いたので夕食で大量に食べる」など、その後の食事量や食べ方に影響することもあります。
食事を抜くことそのものだけを見るのではなく、その結果、一日の食生活がどうなっているのかを見ることが重要です。
1日2食という食べ方は?
1日2食で生活している人もいます。
2食だから必ず不健康というわけでも、3食より健康というわけでもありません。
考えたいのは、2回の食事で必要なエネルギーや栄養素を確保できているかということです。
食事回数を減らした結果、
- 野菜がほとんど摂れなくなった
- たんぱく質が不足した
- 一度に大量に食べるようになった
- 間食が増えた
のであれば、回数だけを減らしても食生活が改善したとはいえません。
「1日1食なら健康になる」は本当?
「1日1食にすると健康になる」といった情報を見かけることがあります。
しかし、すべての人に1日1食を勧められるだけの単純な話ではありません。
一度の食事だけで必要なエネルギーやさまざまな栄養素を十分に摂ることは、難しくなる場合があります。
特に、成長期の子ども、妊娠・授乳中の人、高齢者、病気の治療中の人、食事量が少ない人などでは注意が必要です。
極端な食事法を始める場合には、「話題になっているから」という理由だけで判断しないことが大切です。
「食べない時間」をつくる健康法は?
近年は、時間制限食(Time-Restricted Eating)など、食事をする時間帯を一定の範囲に制限する方法も研究されています。
例えば、一日のうち一定時間だけ食事をし、それ以外の時間にはエネルギーを含む食品を摂らない方法です。
体重や代謝などへの影響について研究されていますが、研究によって条件や対象者は異なります。
そのため、「○時間食べなければ誰でも健康になる」と単純に結論づけることはできません。
健康法として取り入れる場合にも、食事時間だけでなく、総摂取エネルギーや食事内容などを見る必要があります。
朝食は食べたほうがいい?
1日3食について考えると、特に話題になるのが朝食です。
「朝食は絶対に食べたほうがいい」という意見もあれば、「朝食を食べなくても問題ない」という意見もあります。
朝食と健康との関連については多くの研究がありますが、単純に「朝食を食べたから健康になる」と因果関係を決めることはできません。
例えば、朝食を食べる人と食べない人では、睡眠、運動、喫煙など、ほかの生活習慣も異なる場合があります。
一方、成長期の子どもなどでは、朝食は一日に必要なエネルギーや栄養素を摂る大切な機会にもなります。
朝食については、他の記事で詳しく取り上げます。
高齢者では「食事回数を減らす」ことに注意
高齢期では、若いころより食事量が減る人もいます。
食欲が低下している人がさらに食事回数を減らすと、一日に必要なエネルギーやたんぱく質などを確保することが難しくなる場合があります。
そのような場合には、3回の食事だけでなく、必要に応じて間食を利用して栄養を補うこともあります。
「食事回数を減らせば健康」という考え方が、すべての年代に当てはまるわけではありません。
年齢や体の状態に合わせて考えることが重要です。
間食=悪いものではない
「3食以外は食べないほうがいい」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、間食も目的によって意味が変わります。
例えば、食事だけでは十分なエネルギーを摂りにくい子どもや高齢者などでは、間食が栄養を補う機会になることがあります。
一方で、空腹ではないのに菓子類や甘い飲料などを頻繁に摂る習慣があれば、一日のエネルギー摂取量が多くなることもあります。
大切なのは、「間食するか、しないか」ではなく、「何を、どのくらい、なぜ食べているのか」という視点です。
食事の「回数」だけで健康を考えない
1日3食なのか。
2食なのか。
あるいは食事時間を制限するのか。
数字があると分かりやすいため、「どれが一番健康なのか」という答えを求めたくなります。
しかし、健康に影響するのは食事回数だけではありません。
何を食べるか
どのくらい食べるか
いつ食べるか
どのような生活をしているか
これらは互いに関係しています。
食事の回数だけを変えて、それ以外の食生活を考えなければ、本質的な改善にならないこともあります。
自分の生活に合った食事を考えよう
朝早くから活動する人もいれば、夜勤をする人もいます。
運動量が多い人もいれば、座って過ごす時間が長い人もいます。
子どもと高齢者でも必要な食事は異なります。
だからこそ、「健康のためには絶対に○食」と考えるのではなく、自分の生活や体の状態に合った食事のリズムを考えることが大切です。
そのうえで、一日を通して必要なエネルギーや栄養素を確保できているかを見てみましょう。
まとめ
1日3食は、現在の日本では一般的な食事のスタイルです。
3回に分けて食べることで、一日に必要なエネルギーや栄養素を確保しやすくなるという利点があります。
一方で、
「3食なら必ず健康」
「2食なら不健康」
と単純に決めることはできません。
大切なのは食事回数という数字だけではなく、一日、そして長期的な食生活全体を見ることです。
健康情報に「1日○食が正解」という言葉があったときには、「誰にとって?」「どんな食事内容で?」「どんな研究に基づいて?」と一度考えてみる。
それも、自分に合った食生活を考えるための大切な視点です。

