90代でも運動は必要?体力に合わせて考えよう

90代になると、「もう運動をする年齢ではない」「無理に体を動かさない方がよいのでは」と考える人もいるかもしれません。
確かに、年齢を重ねることで筋力や体力が低下し、以前と同じように動くことが難しくなる場合があります。
しかし、90代だからといって、体を動かすことが必要なくなるわけではありません。
90代でも自分の足で歩いている人がいる一方で、車椅子を利用している人や、日常生活に介助が必要な人もいます。
大切なのは、年齢だけで運動の必要性を判断しないことです。
今の体力や健康状態に合わせて、できる範囲で体を動かし続けることについて考えてみましょう。


90代でも体を動かす意味はある

筋肉は、日常生活のさまざまな動作を支えています。

椅子から立ち上がる。
ベッドから起き上がる。
トイレへ移動する。
食事の姿勢を保つ。
手を伸ばして物を取る。

こうした動作にも筋肉が使われています。
90代になると、病気や体力の低下などによって活動量が減ることがあります。
しかし、体を動かす機会が少なくなると、筋力や持久力がさらに低下し、日常生活の動作が難しくなる場合があります。
そのため、90代でも体を動かすことには意味があります。
ただし、すべての人が同じ運動をする必要はありません。
今できている動作を大切にし、生活に必要な体の働きを保つことが重要です。


歩ける人は歩く機会を大切にしよう

90代でも安全に歩ける人は、歩く機会を持つことが大切です。
歩くことは、脚の筋肉を使うだけでなく、心肺機能や持久力を保つことにもつながります。
また、外出は気分転換や人との交流の機会にもなります。

家の中を歩く。
庭や玄関先に出る。
家族と近所を散歩する。
買い物に同行する。

こうした活動も、体を動かす機会になります。
ただし、長い距離を歩く必要はありません。
歩くときにふらつく場合や、転倒の危険がある場合には、杖や歩行器などの使用を含めて、安全な移動方法を検討することが大切です。
歩く距離を伸ばすことだけを目標にせず、安全に歩く機会を保つことを意識しましょう。


座ったままでも体を動かせる

90代では、立った状態で運動することが難しい人もいます。
そのような場合には、座ったままできる運動を取り入れる方法があります。
たとえば、安定した椅子に座って、

足首をゆっくり曲げ伸ばしする。
つま先を上げ下げする。
片方ずつ膝を伸ばす。
腕をゆっくり上げ下げする。
肩を無理のない範囲で動かす。

といった運動です。
これらは、座った状態で筋肉や関節を動かす機会になります。
ただし、痛みがある場合や、姿勢を保つことが難しい場合には無理をしないようにしましょう。
また、座ったままの運動だけで、立つ力や歩く力を十分に保てるとは限りません。
立つことが可能な人は、必要な支援を受けながら、立ち上がる動作なども取り入れることが考えられます。
運動の方法は、できないことに合わせるのではなく、今できることを生かして選ぶことが大切です。


ベッドで過ごす時間が長い場合はどうする?

90代では、病気や体力の低下によって、ベッドで過ごす時間が長くなる人もいます。
そのような場合にも、体の状態によっては、無理のない範囲で体を動かすことが役立ちます。

たとえば、

ベッドの上で足首を動かす。
腕をゆっくり動かす。
介助を受けながら姿勢を変える。
体調に合わせてベッド上で座る。

といった活動が考えられます。
ただし、骨折や心臓の病気、呼吸器の病気などがある場合には、運動の方法や負荷に注意が必要です。
特に、寝たきりの状態が続いている人や、体を動かす際に痛みがある人は、自己判断で運動を増やさず、医師や理学療法士などの専門職に相談しましょう。
ベッドで過ごす時間が長い人にも、その人の状態に合った体の動かし方があります。


運動の目標は「何歳か」ではなく「何を続けたいか」

90代からの運動では、歩数や運動時間だけを目標にする必要はありません。
それよりも、本人がどのような生活を続けたいかを考えることが大切です。

自分でトイレへ行きたい。
食卓で家族と食事をしたい。
庭の花を見に行きたい。
近所を散歩したい。
孫やひ孫と一緒に過ごしたい。

こうした希望が、体を動かす目的になります。
たとえば、食卓まで歩いて行くことを続けたいのであれば、立ち上がる力や歩く力が重要になります。
ベッドから起き上がって食事をしたいのであれば、座る姿勢を保つ力などが関係します。
大切なのは、運動の回数や時間だけではありません。
本人が大切にしている生活を続けるために、必要な動きを考えることです。


安全を優先しながら運動を続けよう

90代からの運動では、安全性への配慮が欠かせません。
体力や健康状態によっては、少しの運動でも疲労が強く現れる場合があります。

そのため、

体調のよいときに行う。
疲れたら休む。
痛みのある動作を無理に続けない。
転倒の危険がある運動は一人で行わない。
必要に応じて家族や専門職の支援を受ける。

といったことを意識しましょう。
また、運動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいなどが現れた場合には、すぐに運動を中止し、症状に応じて医療機関に相談することが必要です。
急に立てなくなったり、歩けなくなったりした場合も、単なる加齢と決めつけず、速やかに医療機関へ相談しましょう。
90代の運動では、頑張ることよりも、安全に体を動かし続けられることを優先しましょう。


IKIRU+の結論

90代になっても、体を動かすことには意味があります。
ただし、運動の内容や目標は、一人ひとりの体力や健康状態によって異なります。

そのために、

歩ける人は、安全に歩く機会を持つ。
立つことが難しい人は、座ったままできる運動を考える。
ベッドで過ごす時間が長い人は、専門職と相談しながら体を動かす。
運動量よりも、安全性と継続を大切にする。
本人が続けたい生活を運動の目標にする。

ことを意識してみましょう。
90代だからといって、すべての運動を諦める必要はありません。
一方で、無理に歩いたり、筋力トレーニングを頑張ったりする必要もありません。
大切なのは、今の自分に合った方法で体を使うことです。
90代からの運動は、若さを取り戻すためではなく、今の生活をできるだけ自分らしく続けるためのものです。
年齢ではなく、その人の体力や希望に目を向けながら、できることを大切にしていきましょう。