転倒を防ぐために鍛えたい筋肉とは?

「転倒を防ぐためには、どこの筋肉を鍛えればいいの?」

転倒が心配になると、太ももやふくらはぎなど、特定の筋肉を鍛えようと考えるかもしれません。
もちろん脚の筋力は大切です。しかし、歩く、立ち上がる、姿勢を立て直すといった動作では、一つの筋肉だけを使っているわけではありません。
転倒を防ぐためには、太もも・お尻・ふくらはぎなどを中心に、体全体を使える状態を保つことを考えていきましょう。


太ももの筋肉は「立つ・支える」を助ける

太ももの前側にある筋肉は、膝を伸ばしたり、立ち上がったりするときに使われます。

たとえば、

椅子から立つ。
階段を上る。
しゃがんだ姿勢から立つ。

といった日常動作にも関係しています。
太ももの筋肉を使う身近な方法が、椅子からの立ち座りです。
安定した椅子を使い、ゆっくり立って、再びゆっくり座ります。
回数を多くすることよりも、無理なく安全に続けることを大切にしましょう。


お尻の筋肉は歩行や姿勢を支えている

お尻には大きな筋肉があり、立ったり歩いたりするときに重要な役割をしています。
歩いているときには、片方の脚で体を支える場面があります。
そのとき、お尻まわりの筋肉も働き、骨盤や体を安定させています。
お尻の筋肉を使うために、必ず特別なトレーニングをする必要はありません。

歩く。
椅子から立つ。
階段を上る。

といった日常の動作でも使われます。
普段から立つ・歩く機会を持つことが、お尻の筋肉を使うことにもつながります。


ふくらはぎや足首まわりも大切

ふくらはぎの筋肉は、歩くときに地面を蹴って体を前へ進める動きに関係しています。
また、立っているときに体が少し揺れた際には、足首まわりの筋肉も姿勢を調整するために働きます。
簡単に取り入れられる運動の一つが「かかと上げ」です。
安定した机や手すりなどにつかまり、かかとをゆっくり上げる。ゆっくり下ろす。という動きを繰り返します。
バランスに不安がある場合は、無理に手を離す必要はありません。
安全に足首やふくらはぎを使うことを優先しましょう。


体幹も姿勢を保つために働いている

転倒防止というと脚ばかりに注目しがちですが、胴体を安定させる体幹の働きも重要です。

歩くとき。
方向を変えるとき。
物へ手を伸ばすとき。
つまずいて姿勢が崩れたとき。

こうした場面では、脚だけでなく体幹も使って姿勢を調整しています。
ただし、体幹を鍛えるために難しい腹筋運動をしなければならないわけではありません。
立つ、歩く、体重を左右へ移すなど、全身を使う動作の中でも体幹は働いています。


「この筋肉だけ鍛えれば転ばない」はない

太もも、お尻、ふくらはぎ、体幹。
どれも大切ですが、特定の筋肉だけを鍛えれば転倒を防げるわけではありません。

転倒には、

筋力。
バランス能力。
関節の動き。
視覚などの感覚。
歩き方。
体調や薬。
住まいの環境。

など、さまざまな要因が関係します。
そのため、「転ばないために太ももだけ鍛えよう」と考えるより、全身を動かしながら、生活環境も一緒に整えることが大切です。


IKIRU+の結論

転倒防止のために筋肉を使うなら、まず意識したいのは、

太もも。
お尻。
ふくらはぎ・足首まわり。
体幹。

です。

しかし、一つずつ難しい筋力トレーニングをする必要はありません。

椅子から立つ。
歩く。
安全につかまりながらかかとを上げる。
階段を利用できる人は無理のない範囲で利用する。

こうした日常的な動きでも、複数の筋肉を使うことができます。
大切なのは、「転倒防止に一番効く筋肉」を探すことではありません。
毎日の生活の中で脚や体幹を使い続け、必要な筋力を保っていくこと。
それをバランス運動や住環境の見直しと組み合わせながら、転びにくい体と生活をつくっていきましょう。