ミネラルとは?|体を支える小さくても大切な栄養素

カルシウム、鉄、亜鉛、カリウム。
健康や栄養について調べていると、このような名前をよく目にします。
これらはすべて「ミネラル」と呼ばれる栄養素の仲間です。
ミネラルは必要な量こそ多くありませんが、骨や歯の材料になったり、血液や筋肉、神経の働きに関わったりと、私たちが生きていくうえで欠かせません。
今回は、ミネラルとは何なのか、代表的な種類とその働きを見ていきましょう。


ミネラルは5大栄養素の一つ

5大栄養素は、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5つです。
ミネラルは、炭水化物や脂質のような主なエネルギー源にはなりません。

しかし、

  • 骨や歯をつくる
  • 体液のバランスを保つ
  • 神経や筋肉の働きに関わる
  • 酵素の働きを支える
  • 血液をつくる過程に関わる

など、体内でさまざまな役割を果たしています。
必要量が少ないからといって、重要性が低いわけではありません。


そもそもミネラルとは?

私たちの体を構成する元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素などを除いたものを、栄養学では一般にミネラル(無機質)と呼びます。
ミネラルにはたくさんの種類があります。
日本の食事摂取基準では、その中でも健康を維持するために重要な複数のミネラルについて摂取基準が設定されています。
代表的なものには、カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンなどがあります。
それぞれ異なる役割を持っています。


カルシウム|骨や歯だけではない

カルシウムと聞くと、「骨を丈夫にする栄養素」というイメージが強いでしょう。
実際に、体内にあるカルシウムの多くは骨や歯に存在しています。
しかし、カルシウムの働きはそれだけではありません。
筋肉の収縮や神経の働きなどにも関係しています。
牛乳・乳製品、小魚、大豆製品、一部の野菜など、さまざまな食品から摂ることができます。
骨の健康はカルシウムだけで決まるものでもなく、ビタミンDや運動なども関係します。


鉄|酸素を運ぶために重要

鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンを構成する重要な成分です。
ヘモグロビンには、肺から取り込んだ酸素を全身へ運ぶ役割があります。
鉄が不足すると鉄欠乏性貧血につながることがあります。

鉄は、

  • 肉類
  • 魚介類
  • レバー
  • 大豆製品
  • 一部の野菜

などに含まれています。
食品によって鉄の形や吸収率が異なり、ほかの食品との組み合わせによっても吸収のされ方が変わります。
「鉄分の多い食品を一つ食べればよい」というより、食生活全体から考えることが大切です。


ナトリウム|必要だけれど摂りすぎにも注意

ナトリウムは、体内の水分バランスや神経、筋肉の働きなどに関係する重要なミネラルです。
食生活では、主に食塩(塩化ナトリウム)として摂取しています。
に必要な栄養素ですが、日本では食塩の摂りすぎが課題の一つになっています。
しょうゆ、みそ、漬物などだけでなく、加工食品や外食などからも食塩を摂っています。
そのため、「料理に塩をかけていないから大丈夫」とは限りません。
栄養成分表示の「食塩相当量」を確認する習慣をつけるのも一つの方法です。


カリウム|ナトリウムとのバランスにも関係

カリウムは、細胞内に多く存在するミネラルです。
体液のバランスを保ったり、神経や筋肉の働きを支えたりしています。
また、ナトリウムの排出にも関係しています。
野菜、果物、いも類、豆類など、さまざまな食品に含まれています。
ただし、腎機能が低下している人などでは、カリウムの摂取量について医師から指示されることがあります。
その場合には、「野菜や果物だから健康によい」と自己判断で大量に摂らず、医療専門職の指示に従うことが大切です。


マグネシウム|さまざまな体の反応を支える

マグネシウムは、骨などにも存在し、体内の多くの酵素反応に関係しています。
エネルギー代謝や筋肉、神経の働きなどにも関わるミネラルです。
豆類、種実類、魚介類、穀類など、さまざまな食品に含まれています。
一つの食品から大量に摂ろうとするのではなく、さまざまな食品を組み合わせることが基本になります。


亜鉛|味覚や体のさまざまな働きに関係

亜鉛も、体内の多くの酵素の働きに関係しています。
たんぱく質の合成や細胞の働きなどにも関わり、正常な味覚を維持するためにも必要です。
牡蠣などの魚介類、肉類などに比較的多く含まれています。
不足が問題になる一方で、サプリメントなどから長期間にわたって過剰に摂取すると、ほかのミネラルの吸収などに影響することがあります。


ミネラルは体内でつくることができない

ミネラルの重要な特徴の一つが、私たちの体内でつくることができないことです。
そのため、食べ物や飲み物などから摂取する必要があります。

だからといって、

「カルシウムが大切だからカルシウムだけ」
「鉄が大切だから鉄だけ」

と考える必要はありません。
さまざまな食品を食べることで、複数のミネラルを摂ることにつながります。


不足だけでなく「摂りすぎ」も考える

ミネラルというと、「不足しないように摂らなければ」というイメージが強いかもしれません。
しかし、ミネラルも多ければ多いほどよいわけではありません。
例えば、ナトリウムは必要なミネラルですが、食塩として過剰に摂取することは高血圧などとの関連から注意が必要です。
また、サプリメントなどによって特定のミネラルを大量に摂取すると、健康への悪影響が生じる場合があります。
大切なのは、不足と過剰の両方を考えることです。


サプリメントなら効率よく摂れる?

カルシウム、鉄、亜鉛などはサプリメントとしても販売されています。
不足している栄養素を補うために利用されることもありますが、誰もがサプリメントで補う必要があるわけではありません。
まずは普段の食事を振り返ることが基本です。
また、「食品に含まれている量」と「サプリメントで一度に摂る量」には大きな違いがある場合があります。
複数のサプリメントや健康食品を使用すると、同じミネラルを重複して摂取することもあります。
健康食品について考えるときにも、「何が入っているか」だけではなく「どのくらい入っているか」を見ることが重要です。


ビタミンとミネラルはどう違う?

ビタミンとミネラルは、どちらも体に必要な微量栄養素として扱われますが、同じものではありません。
ビタミンは有機化合物です。
一方、ミネラルは無機質です。
どちらも主なエネルギー源にはなりませんが、体の機能を正常に保つために欠かせません。
また、栄養素は単独で働いているわけではありません。
例えば、カルシウムの吸収にはビタミンDが関係します。
栄養素同士のつながりを考えることも、栄養を理解するうえで大切です。


「このミネラルだけ」に注目しすぎない

健康情報では、

「○○不足に亜鉛」
「骨にはカルシウム」

など、一つの栄養素に注目した情報を目にすることがあります。
確かに、それぞれに重要な役割があります。
しかし、私たちの体は一種類の栄養素だけで成り立っているわけではありません。
カルシウムだけでも、鉄だけでも、亜鉛だけでもありません。
炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを食生活全体から摂っていく。
この考え方が、ミネラルについての基本になります。


まとめ

ミネラルは5大栄養素の一つです。
カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛など多くの種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。
骨や歯の材料になるものもあれば、血液、筋肉、神経、体液のバランスなどに関係するものもあります。
そして重要なのは、「不足しないこと」と「摂りすぎないこと」の両方です。
特定のミネラルだけを意識するのではなく、さまざまな食品を組み合わせ、食生活全体から必要な栄養素を摂ることを基本に考えていきましょう。