朝食は食べたほうがいい?|朝ごはんの役割を考える

「朝ごはんは一日の中で一番大切な食事」
「朝食を抜くと太りやすくなる」
「お腹が空いていなければ食べなくてもいい」
朝食については、さまざまな情報があります。
では、健康のためには必ず朝食を食べる必要があるのでしょうか。
朝食には、一日のエネルギーや栄養素を摂る機会として大切な役割があります。
一方で、「朝食を食べれば必ず健康になる」「食べなければ不健康になる」と単純に考えることもできません。
今回は、朝食の役割と、朝ごはんとの上手な付き合い方について考えてみましょう。
朝食は「一日の最初の栄養補給」
私たちは夕食を食べてから翌朝まで、一般的には長い時間食事をしません。
その間も、
- 呼吸する
- 心臓を動かす
- 体温を維持する
- 脳を働かせる
などのためにエネルギーを使っています。
朝食は、睡眠をはさんだあとに食べる最初の食事です。
そのため、これから始まる活動に必要なエネルギーや栄養素を摂る機会になります。
朝食を食べると「脳が働く」?
「朝ごはんを食べないと脳が働かない」と聞いたことがあるかもしれません。
脳では、通常はブドウ糖が重要なエネルギー源として利用されています。
ごはんやパンなどの炭水化物を食べると、消化によって生じたブドウ糖などが吸収され、体内で利用されます。
ただし、「朝食を食べなければ脳にエネルギーがまったくなくなる」わけではありません。
私たちの体には、血糖値やエネルギー供給を調節する仕組みがあります。
朝食と集中力や学習などとの関係も研究されていますが、睡眠時間や生活リズム、家庭環境などさまざまな要因が関係するため、朝食だけですべてが決まるわけではありません。
朝食は栄養を摂る大切な「1回」
朝食の大きな意味の一つは、一日に必要な栄養素を摂る機会を一回増やせることです。
例えば、朝食を食べず、昼食と夕食の2回だけで、
- エネルギー
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
などを十分に摂ることが難しい人もいます。
特に一度にたくさん食べられない人にとっては、食事を複数回に分けることが栄養を確保する助けになります。
子どもにとって朝食は大切?
成長期の子どもは、体の成長や日々の活動のためにエネルギーやさまざまな栄養素が必要です。
一方、大人ほど一度に多くの量を食べられない子どももいます。
そのため、朝食・昼食・夕食など複数回の食事から栄養を摂ることには意味があります。
また、朝食を含めて毎日の食事時間をある程度整えることは、生活リズムをつくる一つの要素にもなります。
ただし、朝食だけに注目するのではなく、睡眠や運動、昼食、夕食などを含めて生活全体を見ることが大切です。
高齢者にとっても朝食は栄養を摂る機会
高齢期になると、食欲が低下したり、一度に食べられる量が少なくなったりすることがあります。
そのような人が朝食を抜いてしまうと、一日に必要なエネルギーやたんぱく質などを確保しにくくなる可能性があります。
高齢期では、体重減少や低栄養が問題になることもあります。
そのため、「健康のために食事回数を減らそう」と自己判断するよりも、自分が必要な栄養を十分に摂れているかを見ることが重要です。
朝食を食べれば太りにくくなる?
「朝食を食べる人は太りにくい」と聞くことがあります。
実際、朝食を食べる習慣と体重などの関連を調べた研究は数多くあります。
ただし、ここで注意したいのが「関連」と「原因」の違いです。
朝食を食べる人は、
規則的な生活をしている
運動習慣がある
睡眠習慣が異なる
など、朝食以外の生活習慣も違う可能性があります。
そのため、「朝食を食べるだけで痩せる」とはいえません。
体重は、一日のエネルギー摂取量や消費量をはじめ、さまざまな要因の影響を受けます。
朝食を抜けば痩せる?
反対に、「朝食を抜けば一食分のカロリーが減るから痩せる」と考えることもできます。
確かに朝食を抜くことで、一日の摂取エネルギーが少なくなる人もいるでしょう。
しかし、その結果、
昼食を大量に食べる
夕食が増える
間食が増える
甘い飲み物を飲む
といった変化が起これば、必ずしも一日の摂取エネルギーが減るとは限りません。
つまり、朝食だけを見るのではなく、一日全体で考える必要があります。
「朝食を食べないと血糖値が上がる」は本当?
食事の時間や回数と血糖値の変化についても、さまざまな研究があります。
朝食を抜いた場合、その後の食事に対する血糖値の反応が変化する可能性なども研究されています。
ただし、血糖値の動きは、
- 食事内容
- 食事量
- 運動
- 睡眠
- 体質
- 糖尿病などの病気
によっても異なります。
特に糖尿病の治療中で、インスリンや血糖値を下げる薬を使用している人などは、食事を自己判断で抜くことが危険な場合があります。
治療中の人は、医師や管理栄養士などの指示に従いましょう。
朝は食欲がありません。どうすればいい?
「朝食が大切なのは分かるけれど、朝は食欲がない」という人もいるでしょう。
無理に大量の朝食を食べる必要はありません。
まずは、なぜ朝に食欲がないのかを考えてみることも大切です。
例えば、
夕食の時間が遅い
夜食を食べている
就寝時間が遅い
睡眠不足になっている
など、夜の生活習慣が朝の食欲に影響していることもあります。
朝食だけを変えるのではなく、前日の夕食や睡眠まで含めて生活を振り返ってみましょう。
忙しい朝は何を食べればいい?
毎朝、主食・主菜・副菜をそろえた食事を用意するのが難しい人もいます。
そんなときに、「完璧な朝食を用意できないなら食べない」と考える必要はありません。
例えば、
おにぎり+卵
パン+ヨーグルト+果物
ごはん+納豆+みそ汁
など、準備しやすい食品を組み合わせる方法もあります。
一品だけで終わっている場合には、まず何か一つ追加できないか考えてみるのもよいでしょう。
菓子パンだけでも朝食?
もちろん、菓子パンを食べればエネルギーは摂取できます。
しかし、「朝食を食べたかどうか」だけでなく、何を食べたかも重要です。
例えば菓子パンと甘い飲料だけでは、商品によっては糖質や脂質に偏り、たんぱく質や食物繊維などを十分に摂りにくい場合があります。
そんなときは、
牛乳やヨーグルト
卵
果物
などを組み合わせることで、摂れる栄養素の種類を増やすことができます。
「完璧か、ダメか」ではなく、今の朝食に何を足せるかという考え方が実践しやすいでしょう。
朝食を食べない生活が合う人もいる?
大人の場合、生活スタイルによっては朝食を食べない習慣の人もいます。
1日2食でも必要なエネルギーや栄養素を確保できる人もいるでしょう。
そのため、すべての健康な成人が、必ず毎朝同じように朝食を食べなければならないと考える必要はありません。
ただし、朝食を抜くことで、
「一日の食事量が極端に少なくなっていないか」
「昼・夕食に偏っていないか」
「必要な栄養素を摂れているか」
を確認することは大切です。
「食べる・食べない」より食生活全体を見る
朝食については、食べる派 vs 食べない派という二択で語られることがあります。
しかし、本当に大切なのは勝ち負けを決めることではありません。
朝食は一日の食生活の一部分です。
朝食を食べていても、そのほかの食事が大きく偏っていれば十分とはいえません。
反対に、朝食を食べないという情報だけで、その人の食生活が不健康だと決めることもできません。
一日に何を、どのくらい食べているのか。
そこまで見て考えることが重要です。
まとめ
朝食は、睡眠後の一日の最初の食事であり、エネルギーやさまざまな栄養素を摂る大切な機会です。
特に成長期の子どもや、一度に十分な量を食べにくい高齢者などでは、朝食を含めて複数回の食事から栄養を確保することが重要になります。
一方で、
「朝食を食べれば必ず健康」
「朝食を抜けば必ず太る」
というほど単純ではありません。
朝食だけに注目するのではなく、昼食や夕食、間食、睡眠、運動なども含めて、生活全体を考えてみましょう。
そして忙しい朝には、完璧を目指す必要はありません。
「今より一品増やしてみる」「前日の夜更かしを見直してみる」など、続けられるところから整えていくことが大切です。

