「ながら運動」でバランスを鍛えても大丈夫?

テレビを見ながら片脚立ちをする。歯を磨きながらかかとを上げる。料理をしながら足を動かす。
このような「ながら運動」は、わざわざ運動時間をつくらなくても取り組めるため、習慣にしやすい方法として紹介されることがあります。
しかし、バランス運動の場合は少し注意が必要です。「ながら」で行うことよりも、転倒せず安全に行えることを優先しましょう。


「ながら運動」には続けやすいメリットがある

運動を続けるうえで難しいのが、毎日運動する時間を確保することです。
そこで役立つのが、普段の生活と運動を組み合わせる方法です。

たとえば、

テレビを見ている時間に足首を動かす。
座っているときにかかとを上げ下げする。
歯磨きのあとに数回かかと上げをする。

このように、毎日の行動と運動を組み合わせれば、「運動をしなければ」と構えなくても体を動かす機会をつくれます。
運動を生活の一部にするという意味では、「ながら運動」は便利な方法です。


バランス運動では注意がそれやすい

一方、片脚立ちなどのバランス運動では、周囲の状況や自分の姿勢を確認する必要があります。

テレビに夢中になっている。
スマートフォンを見ている。
両手で別の作業をしている。

このような状態でバランスを崩すと、とっさに手をついたり、足を踏み出したりするのが遅れる可能性があります。
特に高齢者やふらつきのある人では注意が必要です。
バランスを必要とする運動ほど、運動そのものに意識を向けることを大切にしましょう。


座ってできる「ながら運動」から始めよう

安全性を考えるなら、座った状態でできる運動は生活に取り入れやすいでしょう。

椅子に座って、
つま先を上げ下げする。
かかとを上げ下げする。
膝を伸ばしたり戻したりする。
足首をゆっくり動かす。

こうした運動であれば、立った状態で片脚立ちをするより転倒の危険を抑えられます。
テレビを見ながら体を動かしたいのであれば、まずは座った状態で安全にできる運動を選ぶのも一つの方法です。


立って行うなら安定した支えを用意しよう

立った状態で運動する場合には、すぐにつかまれる安定したものを用意しましょう。
壁や固定された手すり、体重をかけても動かない机などを利用します。

反対に、

キャスター付きの椅子。
動きやすいテーブル。
不安定な家具。

などを支えにするのは避けましょう。
また、料理中に熱い鍋の近くで片脚立ちをするなど、転倒したときに大きなけがにつながる場所では行わないようにします。
運動そのものだけでなく、「転んだらどうなる場所か」まで考えることが大切です。


無理に「ながら」にする必要はない

運動を習慣にするために、「ながら運動」を必ず取り入れる必要はありません。
片脚立ちをするなら、安全な場所で運動に集中して数十秒取り組む。
かかと上げをするなら、机につかまって数回行う。それだけでも構いません。
むしろバランスに不安がある人では、短時間でも運動に集中した方が安全に行いやすいでしょう。
「ながら運動だから効率的」と考えるのではなく、安全にできる運動だけを生活の中に組み込むようにしましょう。


IKIRU+の結論

「ながら運動」は、体を動かす習慣をつくる方法の一つです。

ただし、バランス運動では、

座ってできる運動は「ながら」でも取り入れやすい。
片脚立ちなどは運動に意識を向ける。
立って行う場合は安定した支えを用意する。
転倒すると危険な場所では行わない。

ことを大切にしましょう。
歯磨きをしながら片脚立ちをしなければならないわけではありません。
テレビを見ながら難しいバランス運動に挑戦する必要もありません。
運動を習慣にする工夫は大切ですが、「続けやすさ」より先に「安全にできるか」を考える。
それが、年齢を重ねても安心してバランス運動を続けるための基本です。