転倒が怖くて外出しなくなる「悪循環」に注意
一度転んだ経験があると、「また転んだらどうしよう」と不安になることがあります。
実際に転倒していなくても、ふらついたり、つまずいたりした経験から、外出することが怖くなる人もいるでしょう。
転倒を避けようと慎重になること自体は悪いことではありません。しかし、その不安からほとんど外へ出なくなると、体を動かす機会まで減ってしまいます。
転倒防止では、「転ばないために動かない」のではなく、「安全に動ける方法を考える」ことが大切です。
転倒への不安から外出が減ることがある
「外の道路には段差があるから心配」
「人混みでぶつかったら怖い」
「一人で歩いて転んだら困る」
こうした不安があると、必要な用事がない限り外出しなくなることがあります。
転倒した経験がある人なら、なおさら慎重になるのは自然なことです。
しかし、外出を控えることで、歩く時間や立っている時間も少なくなります。
すると、以前は自然に行っていた「歩く」「段差を越える」「方向を変える」といった動作をする機会も減ってしまいます。
動かなくなると体力や筋力を使う機会も減る
外出には、思っている以上にさまざまな動きが含まれています。
玄関まで歩く。
靴を履く。
道路を歩く。
店内を移動する。
荷物を持つ。
階段や小さな段差を越える。
こうした一つひとつの動作で、筋肉やバランス能力を使っています。
外出が減れば、こうした体を使う機会も少なくなります。
活動量が減った状態が続くことで体力や筋力が低下し、以前より動くことが大変になる場合があります。
転ぶのが怖い→動かない→体力が低下する→さらに動くのが不安になるという悪循環には注意が必要です。
外出には体以外の意味もある
外出することは、運動のためだけではありません。
買い物をする。
友人と会う。
趣味を楽しむ。
季節の変化を感じる。
地域の人と話す。
こうした活動は、その人らしい生活にもつながっています。
転倒への不安から外出をすべてやめてしまうと、体を動かす機会だけでなく、人との交流や楽しみまで減ってしまうことがあります。
転倒防止の目的は、家から出ない生活をつくることではありません。
安全を確保しながら、できるだけ自分らしい生活を続けることを目指しましょう。
不安があるなら「安全に外出する方法」を考えよう
以前と同じように外出することが不安なら、方法を変えてみましょう。
最初は家の周りだけ歩く。
明るい時間帯に出かける。
歩きやすい道を選ぶ。
家族や友人と一緒に出かける。
休憩できる場所のあるコースを選ぶ。
必要に応じて杖などの歩行補助具を利用する。
いきなり長時間の外出を目指す必要はありません。
「どこまでなら安心してできるか」から考え、少しずつ活動の範囲を広げていく方法があります。
転倒への怖さが強いときは相談しよう
転倒への不安が強く、
一人ではほとんど外出できない。
必要な移動まで避けている。
以前できていた活動を次々にやめている。
何度も転倒している。
という場合には、一人で無理に克服しようとする必要はありません。
医師や理学療法士などの専門職に相談し、歩き方や筋力、バランス、使用している杖などを確認してもらう方法があります。
実際に転倒する危険が高い場合には、「怖がらずに歩きましょう」と外出を勧めるだけでは十分ではありません。
不安の原因を確認し、安全に動くための方法を一緒に考えることが重要です。
IKIRU+の結論
転倒が怖いからといって、無理に外出する必要はありません。
一方で、転倒を避けるためにほとんど動かなくなると、体を使う機会が減り、さらに外出しにくくなることがあります。
そこで、
短い距離から歩く。
安全な道や時間帯を選ぶ。
必要なら家族などと一緒に出かける。
手すりや杖などを適切に利用する。
不安が強ければ専門職へ相談する。
といった方法を考えてみましょう。
転倒防止のゴールは、「一度も危険に出会わないよう家の中で過ごすこと」ではありません。
買い物へ行く。
散歩をする。
人に会う。
好きな場所へ出かける。
転倒を防ぐのは、こうした自分らしい生活をできるだけ長く続けるためです。
「動かないことで安全を守る」のではなく、自分の状態に合わせて「安全に動ける方法」を見つけていきましょう。
