いつまでも安定して歩くために大切なこと

「いつまでも自分の足で歩きたい」と考える人は多いでしょう。
歩くことは、単に移動するためだけの動作ではありません。買い物へ行く、友人に会う、旅行をする、趣味を楽しむなど、自分らしい生活を続けることにもつながっています。
そして、安定して歩き続けるためには、バランス能力だけを鍛えればよいわけではありません。
筋力、柔軟性、バランス、体力、そして日常的に体を動かすことを一緒に考えることが大切です。


「歩く力」はさまざまな能力に支えられている

歩いているとき、私たちの体では多くの働きが同時に使われています。

脚の筋肉で体を支える。
左右の脚へ体重を移す。
足首や膝、股関節を動かす。
姿勢を保つ。
周囲を見ながら進む方向を調整する。

こうした動きをほとんど意識することなく繰り返しています。
つまり、安定して歩くためには一つの能力だけではなく、体全体を協調させて使うことが必要なのです。


普段から「歩く機会」を減らさない

歩く力を保つために大切なのが、実際に歩くことです。
運動としてウォーキングをするだけでなく、

買い物へ歩いて行く。
近所を散歩する。
家の中を移動する。
外出して人に会う。

といった日常生活も歩く機会になります。
年齢を重ねると、車を利用するようになったり、外出する回数が減ったりして、知らないうちに歩く機会が少なくなることがあります。
特別な運動だけではなく、生活の中から歩く機会をなくさないことも意識してみましょう。


筋力とバランスの両方を使おう

歩くためには、脚の筋力が必要です。
しかし、筋肉があれば安定して歩けるとは限りません。
歩行では、一歩ごとに体重を左右へ移動させながらバランスを保っています。

そのため、

椅子からの立ち座り。
かかと上げ。
ウォーキング。
安定したものにつかまって行う片脚立ち。
左右への体重移動。

など、筋力とバランスの両方を使う機会をつくってみましょう。
「筋トレの日」「バランスの日」と完全に分けなくても、日常の動きの中で両方を使うことができます。


転ぶのが怖くても「動かない」にしない

一度転んだ経験があったり、ふらつきを感じたりすると、外へ出ることが怖くなる場合があります。
もちろん、転倒しないように注意することは大切です。
しかし、転ぶことを恐れてほとんど体を動かさなくなると、筋力や体力を使う機会まで減ってしまいます。
大切なのは、「危ないから動かない」とするのではなく、安全に動ける方法を考えることです。

歩きやすい場所を選ぶ。
手すりを利用する。
自分に合った靴を履く。

必要であれば杖などの歩行補助具を適切に利用する。
こうした工夫をしながら、自分に合った方法で活動を続けていきましょう。


小さな変化を見逃さない

以前より歩くのが遅くなった。
つまずくことが増えた。
歩幅が小さくなった。
ふらつくことが増えた。
外出するのがおっくうになった。

こうした変化は、体の状態や活動量を見直すきっかけになります。
「年齢のせいだから仕方がない」と決めつける必要はありません。
生活の中で体を動かす機会が減っていないか確認してみましょう。
一方、急に歩きにくくなった、強いめまいやふらつきがある、手足に力が入りにくいなどの変化がある場合には、運動で様子を見続けず、医療機関へ相談することが大切です。


IKIRU+の結論

安定して歩き続けるために、特別なバランストレーニングだけを続ける必要はありません。

日常生活の中で、

歩く。
立ったり座ったりする。
筋肉を使う。
体をさまざまな方向へ動かす。
安全な範囲でバランスを使う。

ことを積み重ねていきましょう。
片脚立ちを何秒できるかよりも大切なのは、買い物へ行けることかもしれません。
速く歩けることより、安心して近所を散歩できることかもしれません。
バランス能力を保つ目的は、運動の記録を伸ばすことではありません。
これからも自分の足で立ち、歩き、行きたい場所へ行く。
その生活を支えるために、無理のない範囲で体を使い続けていきましょう。